【上映会レポート】2017/08/08『インド日記』ライブ音声ガイド付き上映(声なびシネマわかば)

前日からの台風の影響が心配でしたが、8月8日(火)、予定通りに『インド日記』の、ライブ音声ガイド付き上映会が、埼玉県・坂戸駅前集会施設にて開催されました。

 

私が家を出るときには、すでに雨は止んでいましたが、交通機関に影響があったら困ると思い、この日は早目に家を出ました。会場は、「駅前施設」という名前がついているぐらいだから、すぐ分かるだろう・・・と思い、ろくに調べず、駅に降りました。

 

ちょうど目の前を、モニター会でお会いした遠藤さんが、白杖を持って歩いていたので、遠藤さんに会場まで誘導してもらいました。

 

遠藤さんは、モニター会の参加レポートでも書いたように、目は見えなくても、文字を書くことができます。・・・ということは、途中から目が見えなくなったのかな?と思い、そのことを聞いてみました。

 

なんと、遠藤さんが見えなくなったのは、たった4年前。ごく最近のことです。見えなくなる直前までは、車の運転もしていたそうです。(視界がゆがむなぁ?)と思って病院に行くと、緑内障と診断され、その時にはすでに手遅れで、見えなくなってしまった(弱視となった)そうです。

 

・・・お話を聞いていて、「目が見えなくなる」というのは、もちろん大変な事態ではありますが、ちょっとしたことで誰でもなりうるのではないかと思いました。

 

道をすっかり覚えている遠藤さんに誘導してもらい、会場に到着しました。

 

上映前の機材セッティング

 

 

上映会場に盲導犬がいるというのは、私の上映会では初めてのことです!

 

 

 

上映開始時刻が近づくと、会場はほぼ満席になりました。

 

 

上映前に、ガイド担当チームの方々より、「事前解説」の読み上げ。

 

 

音声ガイドチームの皆さんは、最前列に並んで座っていました。私が上映前の短い挨拶で前に出て話したとき、ガイドの皆さんの緊張感がめちゃめちゃ伝わってきました!! 「ライブ」でガイドをし、字幕を読むということは、これだけ緊張することなのですね・・・! メンバーの1人は、当日、緊張のせいか、上映前に3回トイレに行っていました。字幕読みの練習のために、DVDは50回ぐらい観たとのことです・・・! 制作者の私でさえ、『インド日記』の完成品を50回も観ていないと思います(^^;)

 

たくさんの方々が、時間と労力を使って、ライブ音声ガイド付き上映を実現してくださっているのだなぁと、とてもありがたく思いました。

 

上映の様子

 

 

 

無事上映が終わり、そのあとは質疑応答をしました。最初に、私は自己紹介も兼ねて、私が映画を作るようになったきっかけや、現在に至るまでの制作活動についてお話ししました。そのあとは『インド日記』について、どんな思いで作ったかというようなこと。最後に、『インド日記』に登場するインドの女性団体SEWAの精神と「声なびシネマわかば」との共通点として、私が感じたことなどをお話ししました。

 

質疑応答では、目が見えない方&見える方ともに、とてもたくさんの質問や感想をいただきました。インドのスラム街の暮らし、カースト制度、女性が置かれている立場、治安、宗教、アジアの女性監督たち・・・などなど。普段の上映会より、よっぽど活発だったかもしれません?!

 

以下に、声なびシネマわかば・代表の木野さんが、会員の皆さんに送られたレポートをご紹介します。(文面をそのまま貼り付け)

 

(引用ここから)=====

 

作品:『インド日記~ガジュマルの木の女たち~』(監督舞台挨拶つき)
日時:8月8日(火)午後1時開場 1時半上映開始
開場:坂戸駅前周回施設
参加者:50名(早川監督を含む)
内訳:声なび37名 一般7名 ガイド・モニター担当5名

 

【監督舞台挨拶】
☆ ドキュメント映画をつくるようになった経歴と 『インド日記』の概要
社会の最底辺で働く女性たちの団体・SEWA(セワ)
デリーのアジア女性映画祭で出あった 、イラン、インドの女性映画監督達の素顔

 

☆ 監督は この女性たちの生き方に共感することが多い

 

☆ 自分たちの抱える問題を 報道してくれる人がいないのなら 自分たちで 発信すればいい

 

☆ 「セワ」の人達の印象深い言葉
セルフコンフィデンス→自分自身に自信を持つこと
エンパワーメント→自分の中に もともとある力を引き出すこと

 

映画をつくることに寄り 社会を変えたいという思いもあるが
作り手自信が その映画をつくることに寄り 自信を持つことができる。
「誰かを助けるためにやりたい」というより
「自分自身のためにやっている」という部分があり
映画ををつくることに寄り自分自信が 自信を持ってくる。
人との出会いがある

 

そのことが やっていて やりがいがあるし 楽しい。
と 監督は 語る。
声なびの 皆さんも 同じようなこと いつも 話していますね。

 

声なびの活動にも繋がる
エンパワーメントの考えは とても大切なことで
声なびの考え方も 「せわ」の考えに通じることが多いと思う。
☆ 嬉しいコメントですね)

 

一般的に 見えない人に対して 周りが 親切心で
「これは わたしがやるからいい」とか「危ないから 座っていて」と言われ
る機会が多いと思う

 

良かれと思って 言ってくれていることが つみ重なれば
その人の もともと持っている力とか 本当はできることなのに
とか どんどん奪われてしまう
これ 要注意。

 

☆ 監督の価値観は 私たち声なびが ずっと 大切にしてきたことと
ぴったりで 私は この映画より 監督の話に感動しました。

 

☆☆☆☆☆☆☆

 

感想 質問タイムでは 沢山の方の手があがり それについて 丁寧にお答え
いただきました

 

又 会員外の参加者 7名様からも しっかり お声を出していただきました。
本当に 有意義な一日 有難うございました。

 

終了後は 監督を囲み18人で 暑気払い
こちらは「無礼講」で 楽しい楽しい時間でした。

 

以上  木野

 

=====(引用ここまで)

 

「Self confidence」と「Empowerment」は、SEWAのメンバーにインタビューをした際、よく出てきた言葉でした。どちらも、日本語には訳しづらい言葉です。それは、日本社会の中ではあまり重要視されていない言葉だから・・・とも言えるのかもしれません(?!)。でも、自分に自信を持つとか、自分の中にある力を引き出すとか、つくづく大事だなと思うのです。

 

「目が見えない」人だけでなく、「高齢だから」、「女性だから」、「外国人だから」、「時間がかかるから」・・・と、様々な理由から、私たちは、本来ならほんのちょっとした手助けで自分でやれることを、他人が親切にやってくれてしまいます。その積み重ねで、いつの間にか、自分ができることがどんどん少なくなってしまう・・・。これは、本当に気をつけないといけないですよね!

 

声なびの皆さんは、「目が見えなくても、映画を観たい!」と、自分たちで出来ることはやり、目が見える人たちも巻き込みながら活動を続けています。それは、SEWAの精神と通じるものがある、と思ったのでした。

 

上映会後の暑気払いにも参加しました。飲み放題コースでしたが、皆さんのハイペースな飲みっぷりに驚愕。まるで、体育会系の大学生サークルのようです・・・! 私が1杯飲み終える間に、5杯ぐらいは飲んでいたのではないでしょうか?!

 

 

 

今回の上映会参加者の取りまとめを担当された山田さんは、マッサージ師でもあります。私もマッサージしていただいたのですが、「痛気持ちいい」ところばかりでした。畑仕事時の姿勢が、良くないのかなぁ・・・?(^^;)

 

 

 

目が見えなくなってから、フルマラソンを始め、これまでに国内外の大会に何度も参加しているという女性もいました。とにかく皆さん元気で、圧倒されまくりでした!!

 

 

 

 

 

飲み会の後の、カラオケにもついていきました(^^)

 

 

画面に映し出される歌詞が見えない人は、隣に座った人に、少し前倒しで歌詞を読み上げてもらい、歌います。

 

 

もしくは歌詞を暗記(^^)

 

 

とても楽しい1日でした。声なびシネマわかばの皆さま、ご来場いただいた皆さま、どうもありがとうございました!!