インドの女性団体、SEWAの底力!(2021/03/09 『インド日記』上映会@岡山県笠岡市)

国際女性デーの翌日、3月9日に、岡山県笠岡市の光明坊さんにて、『インド日記』の上映会を開催していただきました。

 

コロナウィルスの感染拡大以降、昨年は予定していた上映会や講演会がほとんどキャンセルになってしまったので、「上映会を企画したい」と光明坊の勝間靖さんからご連絡をいただいた時は、とてもうれしかったです。

 

今回、上映後の質疑応答に、私は東京からスカイプで参加することになっていたので、SEWAのメンバーに近況をインタビューしてみたいと考えました。このコロナウィルスが世界中に広がって以降、スラムで密に暮らす彼女たちのことが、ずっと気になっていたからです。

 

2月27日、Google Meetを使ってVideo SEWAのメンバーにインタビューを行いました。時々SNS上では交流していたものの、対面できちんと話すのは久しぶり!

 

オンラインインタビューの様子

 

 

以下、2枚の写真はVideo SEWAメンバーのArunaより。こういう”様子”の写真も撮っておくの、ドキュメンタリー監督らしいなぁと思いました。わたしもこういう写真、かならず記録しておくタイプですから(^^)

 

 

 

インドと日本の時差は3時間半。土曜日の午後に、約70分間のインタビューをさせてもらいました。質問は大きく分けて3つ。「前回2015年に取材したとき以降、Video SEWAの活動に変化があったか」、「コロナの影響はどのように受けているか」、「映画をご覧になった方々へのメッセージ」という構成でした。

 

気になるコロナの影響ですが、彼女たちが暮らすエリアは、インド国内でも最も感染が深刻な地域で、コミュニティの多くの住民が感染し、病院へと運ばれたそうです。

 

ただ、驚いたのは、SEWAのネットワークとこれまでの活動が、このコロナ禍でも(いや、こういうときだからこそ?)十分に発揮されているということでした。マスクや消毒液を確保して会員に配り、より困窮する人々に食料を迅速に届け、心のケアにも重点的に取り組む…等の活動を精力的に行っているのでした。

 

『インド日記』は5年前に完成させた作品ですが、今回の追加インタビュー(約17分の映像)と合わせて観てもらうことで、より彼女たちの活動の重要性が伝わるのではないか…と思います。今後は、『インド日記』の上映の際には、追加インタビューの映像も併せて観ていただきたいなぁと考えています。

 

以下は上映会当日の写真です。主催の勝間さんが撮影し、送ってくださいました。写真が好きというだけあり、カメラは相当良いものを使っているのでは?!と、1枚当たり25MBもする写真データを受け取って感じました。いずれも会場の様子がよくわかる、素晴らしい写真ばかりです(^^)

 

 

上映前の挨拶の様子。会場の様子を映したカメラで、市場恵子さんや、岡山映画祭の川端さんや富田さんのお姿も久しぶりに拝見できて、うれしかったです!!

 

 

本編上映時の様子

 

 

 

上映後の質疑応答の様子

 

 

上映後の質疑応答では、たくさんの質問や感想をいただきました。例えば…

 

・SEWAの近況のオンライン・インタビュー、インターネットの環境に驚いた。全く距離を感じず、身近に感じられる。

 

・インドでは非正規で働く人たちが多いのか?

 

・妊娠した際、お腹の子が女の子だとわかると堕胎する親がかなりいると言うが、女の子を減らしたら、やがて人口が減ってしまうとは考えないのだろうか?

 

・映画に登場するVideo SEWAのメンバーたちは、ほとんどは結婚している女性たちか? 映像の仕事は、撮影や編集で長時間家を空けることが多いはずだ。夫の理解は得られているのか?

 

・SEWAの活動で、「ガンジーの精神」という言葉が良く出てくるのだが、どう関係があるのか?

 

・映画を見て、SEWAの活動を見ていると、日本の自分たちについて比べてしまう。日本では何ができるだろうかと考えてしまう。

 

・SEWAについては、もともと少し勉強していたので知っていたが、今回映像を見て、活動が良く分かった。

 

・インドの人たちは、日本にどんな印象を持っているか?

 

・カースト制度はまだあるか?

 

・インドの政治家たちは、彼女たちが住むようなスラム街を訪れるのか?

 

・仏教寺院を訪問するために、インド北部を訪れたことがある。住民の家々は、どれも藁ぶきの粗末な住居だった。こういった地域にもSEWAの活動は届いているのか?

 

・日本の場合、最近の森元首相の「わきまえない女」発言や、夫婦別姓が話題となっている。岡山県議会では、夫婦別姓に反対する決議が出されそうな状況である。日本では草の根の保守の運動がある。

 

・スラム街の子供たちが、元気で生き生きとして、「ここが自分の家だよ!」と自分の家を見せるのが、なつかしい光景だと思った。

 

質疑応答は30分ほどでしたが、皆さんが熱心に映画を見て、興味を持ってくださったことが伝わってきて、とてもうれしかったです。

 

オンラインでの質疑応答でしたが、こちらも勝間さんのこだわりだと思うのですが、広角のカメラが会場全体の様子をとらえ、発言されるときにはカメラは発言者にフォーカスされ、ワイヤレスマイクの音声はとてもクリアで、ほぼリアルな対面に近いような感覚で質疑応答ができました。オンラインだからこそ、こういう機材へのこだわりって大事ですよね。私も今後は、少しずつオンライン用の機材もバージョンアップしていけたら…と思います!

 

以上、『インド日記』上映会@光明坊(真宗大谷派)のレポートでした! 企画・準備をしてくださった勝間さん、そしてご来場いただきました皆様、どうもありがとうございました!