週イチでも癒される~(^^) コロナ禍の農業研修・前半まとめ!

コロナが始まって半年ほどたった頃から、だんだんと(元の生活に戻るまで、数年はかかるだろうな…)と思い始めました。もちろん早く収束してほしいけれど、こう思っているのは私だけではないと思います。

 

これまで、細々とではあるけれど、映画監督として活動してきた私にとって、「土日は予定を入れないでおく」というのは鉄則でした。上映会やイベントは、たいてい週末に組まれることが多いからです。

 

なので、興味がある講座などを見つけても、「毎週土曜日午後、全4回」なんて書いてあれば、それはもうあきらめるしかありませんでした。

 

ところが、このコロナ禍で思いがけずイベントごとが少なくなり、ますます家にいる時間が長くなったので、偶然知った近所の農園での、「農業研修」を受講してみようと思い立ちました。

 

私は数年前、埼玉で暮らしていたころ、草ぼうぼうの庭を畑に変えて、30種類ほどの野菜を育てていました。

 

初心者でも、テキトーでも、それなりに立派な野菜ができるということに驚いたものの、支柱の立て方は良くわからないままにやっていたし、お金のかかる農業資材を使わないで済む野菜ばかり育てていたので、マルチや防虫ネットの使い方などは全く知りませんでした。

 

農業研修は、毎週土曜日、午前中の3時間、盆と正月以外はお休みナシ、全10ヶ月というかなり長いコースではありましたが、初心者向けに農機具の使い方・手入れ、様々な野菜の栽培方法をひと通り基礎から学べると書いてあったので、迷わず受講することにしました。

 

自宅から自転車で通える距離で、研修の後には毎回お土産野菜がもらえる…というのも、受講を決めたポイントでした(^^)

 

受講代金は月3,000円(保険料込み)。10か月分を最初にまとめて支払って、3月末から受講を始めました。

 

農業研修の様子は、私のツイッターで時々呟いていたので、そちらを引用しながら前半期を振り返りたいと思います。

 

〇2021年4月10日

 

写真は、数年前に家庭菜園をしていた頃のもの。これは、最盛期の1日分の収穫量。全くの初心者で自己流でしたが、売り物じゃなければ(=見た目やサイズの均一化にこだわらなければ)、意外と出来てしまうものなんだなというのは発見でした。

 

 

とはいえ、農業資材の使い方(支柱立てや防虫ネット、マルチなど)はわからないで崩れたり、マルチが必要そうな野菜は避けたり…と、知識や技術にばらつきがありすぎたので、一度基礎・基本から学んでみたいなとは思っていました。

 

映画やイベントなどを不定期でもやっていると、土日に固定の用事や習い事を入れるなんて、今までは考えたこともありませんでしたが、コロナはまだ当分続くだろうな…というのを逆手に取り、先月から10か月の農業コースを週末に受講しています。 これがほんとに楽しい!!!

 

今日は鍬の握り方、耕し方、道具の手入れ、土壌のぺーハー値の測定などやりました。以前、ツルハシと鍬で開墾作業をずっとやっていたせいか、地元で六代続く農家の先生から「あなた農家の人?!」と言われました(笑)

 

鍬の使い方を習う様子。

 

 

使った後の道具の手入れも学びます。

 

 

土壌の酸性度を測ります。その数値により、土壌に投入する苦土石灰の量を調整。

 

 

畝立てで使う「サビキ」(紐)の使い方を教わります。

 

 

サビキは畝立てのガイドラインとして使います。

 

 

〇2021年5月8日

 

今朝も農業の研修に行きました。研修後、お土産野菜をたくさんいただきました。今日はズッキーニとスイカの定植&行灯(あんどん)掛け、里芋の種芋を植える作業。ズッキーニには、コンパニオンプランツとして、長ネギも一緒に植えました。ネギの臭いが、アブラムシなどを遠ざけるそう。色々勉強になります!!

 

お土産野菜。

 

 

ズッキーニの定植&行灯掛け作業。行灯をかける理由は、主に風よけと虫よけです。春先はまだ風が強いので、定植したばかりの幼い苗が強風で傾いてしまわないよう被せます。

 

 

コンパニオンプランツとして、長ネギも一緒に植えます。

 

 

 

〇2021年5月15日

 

今日の農業研修は、トマトの芽かき・誘引、キュウリの種まき、絹さやの収穫などでした。今日もたくさんのお土産野菜をいただきました(先生は「ノルマ」と言っていた^^;)。今日はタイミング良く午後から来客があるので、お裾分けしたいと思います(^^)

 

 

トマトの芽かきと誘引を教わります。

 

 

絹さやの収穫作業。

 

 

5月に入り、収穫量がぐんと増えてきました(^^)

 

 

〇2021年5月22日

 

今日の農業研修。キュウリの整枝を習いました。「5節目くらいまでの子ヅルを取る」とのことですが、節の数え方が難しい(> <) 中には子ヅルに見えないほど大きく成長しているものもあります。一人ずつマンツーマンで教えてもらって、やっと数えかたを覚えました(^^;)

 

野菜ごとに担当の先生(スタッフ)がいます。

 

 

節の数え方は、マンツーマンじゃないと理解はなかなか難しいです(> <)

 

 

整枝の目的は、病気の防止と収穫量アップ。葉や枝が混み合うと、風通しが悪くなり、また、子ヅルに栄養分が分散してしまうのだそうです。

 

 

私が整枝したキュウリ!! 出来栄えはいかがでしょうか?!

 

 

段々雑草が目立ってきた枝豆の畑の、除草についても習いました。鎌による草刈りは、私も散々やってきた自負がありましたが、「プロ」の仕事に驚嘆しました! 全ての動作に意味があり、なおかつ最低限の体の動きで疲れにくい、とにかく速い、仕上がりが美しい… 思わず見とれてしまいました。

 

枝豆の畑。枝豆の栽培のポイントは、とにかく除草。肥料は要りませんが、雑草をこまめに除去する必要があるそうです。

 

 

無駄な動きのない、プロフェッショナルな草取り!!

 

 

 

草取りは、根まで取るのが鉄則だと教わりました。私は、自分が畑をやっていたころ、草取りは根を残した状態で、地上部分だけ刈っていたのですが、それでは意味がないそうです(> <) 残った雑草の根に、土の栄養分を奪われてしまいますから。

 

 

以下は先週のお土産野菜。週を追うごとに、野菜の種類も量も増えています(^^) 段々色づいてきた小麦は来月初めに収穫で、自分たちで脱穀→製粉は業者→自分たちで手打ちうどん…とするそう。こちらも楽しみ!!

 

 

手前の紫玉ねぎは、辛みが少ないので生食・サラダに向いています。

 

 

小麦畑。小麦を育てるのは、土壌改良の目的も兼ねているそうです。

 

 

 

〇2021年5月29日

 

今日の農業研修は、三時間のうち二時間を使って、ひたすら玉ねぎの収穫でした! 収穫→ヒゲを切る→茎を20センチのところで切り落とし、左右5個ずつ麻ヒモで束ね→軒下に吊るして保管。こうすれば秋まで保存できるそう。7人で1,200個ほど収穫しました!

 

びっしりと… 玉ねぎの畑です!

 

 

このように植わっています。

 

 

茎を切り落としたり、ヒモで縛ったりの作業がしやすいよう、収穫時に向きをそろえて置くのがポイントです。

 

 

かなりの重労働!

 

 

左右5個ずつ、麻ヒモで縛ります。

 

 

 

玉ねぎの仮置き場は、足の踏み場もないぐらい。

 

 

軒下に吊るして貯蔵します。

 

 

今日はさすがにくたくたになって、帰宅してから昼寝しました(^^;)

 

今日のお土産野菜。玉ねぎは好きなだけOKと言われたものの、食べきれないのでほどほどにしました。一応、風通しの良い状態で保存。カブは、ぬか漬けにしてみたら美味しかったです!

 

 

自分で収穫した玉ねぎ(^^)

 

 

ざるに入れて保存。

 

 

カブのぬか漬け。

 

 

〇2021年6月5日

 

今日の農業研修は、2時間の座学もありました。食料自給率から、種の保管、肥料、農薬まで、話題は多岐に渡りました。一般的な高原(高地栽培)キャベツは、90日間の栽培期間のうち、平均23回も農薬を散布して、虫に全く食われない状態にしてある。ほぼ3日に一度の散布でも「低農薬」というのにビックリ!

 

 

ちなみに、今日のお土産野菜のメインは巨大キャベツだったのですが、こちらは無農薬なのに、虫食いはほとんど気になりません(防虫のトンネル掛けのみ)。一体なぜ市販品はそこまで大量の農薬が必要なのか聞きました。大規模キャベツ農家は、トンネルを掛ける手間を省くためトンネルなしで栽培するので、大量の農薬を使用するそうです。

 

立派に育ったキャベツ。外葉ってこんなに大きいんだ?!とびっくり。

 

 

 

 

ほとんど虫食いがありません。

 

 

土作りをしっかりやり、適切な時期に種を蒔き、きちんと防虫ネットをかけることで、無農薬でのキャベツ栽培が可能とのこと。個人または小規模農家じゃないと、なかなかそこまで出来ない・採算も合わないというのが現状でしょうか…。

 

〇2021年6月5日

 

種まき実習で、4月初めにポットに種まきし、しばらく自宅で育て、先月半ばに畑に定植したズッキーニが、もう収穫できるほどまで育ちました。今日の私のお昼ご飯、キーマカレーの具材になっています(^^)

 

種まき後、1カ月ほど経ったころ。

 

 

手のひらサイズだった苗は、定植後に急成長。

 

 

2色のズッキーニ。(放っておくと、大根並みの大きさにまで成長します)

 

 

自分で育てた野菜で作る料理は最高!!!

 

 

〇2021年6月12日

 

今日の農業研修。コロナも怖いけど、熱中症の方がより身近な危険と感じる、暑さの中での作業。ひたすら芽かき、誘引、雑草取り等。広げてあるのは脱穀後の小麦。

 

この時期から、作業時間の多くは草取りと収穫作業に。

 

 

キュウリもたくさん採れました!

 

 

ズッキーニは、形状はキュウリに似ていますが、カボチャの仲間です。

 

 

脱穀後の小麦。あれだけの広さで栽培して、収穫はこれだけ…?! 農家さんの大変さを思いました。

 

 

今日のお土産野菜は、ズッキーニ、キュウリ、人参、春菊に加えて、たくさんのジャガイモ! 小イモは素揚げにすると美味しいと聞きました。巨大な黄色のズッキーニは、測ったら30センチ以上! 今週はズッキーニが主食になりそうです。

 

 

 

〇2021年6月26日

 

今日の作業のメインは、長ネギの定植。2センチ間隔で密に植え、競わせて成長させるそう。ひと畝で約1,000本、全部で8,000本も植えるのだそう! 白い部分を長く育てるため、深堀りします。定植は屈むので、腰にくる。ネギ農家さんは大変だ!

 

 

この姿勢、腰に来ます…(> <)!!

 

 

 

通気性の確保のため、稲わらを敷きます。

 

 

昔ながらの農具も使わせてもらいました。明治時代に中国からやってきた、「唐箕(とうみ)」という手回しの機械。脱穀した小麦の籾から、風の力を利用してゴミなどを取り除きます。

 

 

ひたすら人力で回し続けます。

 

 

 

 

ミニトマトの栽培はしやすいですが、大玉は難しそうで私はやったことがありませんでした。でも、こちらの農場のトマトは立派に育っています! ナスは秋まで収穫が続きます。

 

立派な大玉トマト。

 

 

ミニトマトは収穫が始まっています。

 

 

ナスも最盛期。こちらは長ナス。

 

 

沢山収穫できました!

 

 

シーズンが終わったキャベツとブロッコリーの畑の片付け作業もしました。根を取り除き、マルチをはがし、雑草を取る。マルチは、家庭菜園レベルではない場合、可燃ゴミとしては捨てられず、一袋千円もするJAの専用袋で捨てなければならないそう! 45㍑もない袋です(> <) マルチをぎゅうぎゅうに詰めて捨てます。

 

 

 

今日の農業研修のお土産野菜。間引きしたトウモロコシ(ヤングコーンとして食べる)、春菊、インゲン、ズッキーニ、ナス、トマト、ピーマン。今日もたくさん草取り&収穫して疲れました! これから少し昼寝!

 

 

 

 

シーズン最後の春菊。

 

 

〇2021年7月10日

 

今日の暑さには参ったぁ(> <) 今日の農業研修は、耕運機の使い方講習でした。深く入りこんで動かないor表面だけ上滑りして耕せてない…になることが多く、加減が難しかったです! 耕運機をかけた後はマルチを被せました。来週、ここに人参を種まきするそうです。

 

耕運機は、原始的なクルマのような(?)構造です。

 

 

予想通り、翌日は全身筋肉痛になりました(^^;)

 

 

サビキ(紐)を使って畝幅を決め、畝を作ります。

 

 

作った畝にマルチをかぶせます。マルチは器具等で固定するのではなく、土を被せるだけ。風で飛ばされたりしないよう、鍬の背の部分を使ってしっかり土を押し固めます。

 

 

その他は、キュウリ、ピーマン、ナスなどの収穫や草取り。最後に、畑でとれたばかりのスイカを皆で食べました。なま暖かい状態でしたが、水を飲むより渇きが癒される感じがして不思議でした!

 

コロナ禍で日常生活が様々に制限されるなか、この開放感に毎週救われています(^^)

 

 

 

さて、この日はスイカが初登場! 豪快に切り分けます!

 

 

今日のお土産野菜(^^)

 

 

〇2021年7月19日

 

農業研修のお土産野菜。トウモロコシと枝豆の甘さが際立っていました!

 

 

もぎたてのトウモロコシ。

 

 

フライパンで蒸し焼きにしました。ウマい!!

 

 

枝豆も、茹でずに蒸しました。こちらも甘みが強い!!

 

 

〇2021年7月24日

 

今日の農業研修も、ひたすら草刈りと収穫の三時間! 炎天下で這いつくばっての作業。トマト、ナスが最盛期です!

 

暑さが増してきて、ワークマンなどで売っている扇風機付きのベストを着用する人が増えてきました。私も欲しいと思いましたが、1万円ぐらいするので諦めました。毎日作業をするなら買う価値もあるかと思いますが、週一回ですからね…(^^;)

 

 

それにしても暑い!!

 

 

ミニトマトの収穫時、緑のヘタ部分を残しておかないと、商品価値がなくなってしまうそうです。でも、この部分は気を付けないとポロっとすぐに外れてしまいます。プロ農家さんたちは、収穫に一番神経を使うそうです(これまでの努力が水の泡になってしまいますからね!)。

 

 

ナスも大量に収穫できました!

 

 

畑作業のお楽しみと言えば、スイカ!! 三週連続・スイカ食べ放題という贅沢(^^) 今日も5切れ食べました。畑にはまだまだ収穫を待つスイカがたくさん。来週も楽しみです!

 

 

一切れがデカい(^^)

 

 

 

スイカ畑には、まだたくさんのスイカが♪

 

 

今日のお土産野菜。赤紫蘇とパセリをたくさん頂きましたが、何に使おうかな?? 畑仕事のあとは、お蕎麦屋さんに行きました。

 

 

香りの強い赤しそ。

 

 

 

近所のお蕎麦屋さんにて。

 

 

〇2021年7月31日

 

耕運機実習は三回目となり、もうすっかり操作に慣れてきました。枝豆は残りを全て収穫。枝からもぎ取るだけでもかなり時間がかかりました💦 スイカは、収穫時期の見極め方を教えてもらいました。巻きヒゲが枯れ、ツルの色が変色したら、中まで赤くなって食べ頃とのこと。

 

 

野菜は収穫して終わり…ではなく、その後の下処理(枝豆ならば枝から房をもぎ取る)にも、結構時間がかかります。

 

 

スイカの収穫適期の見極め方を教わります。

 

 

今日も沢山収穫できました! 1ヶ月もの間、毎週スイカをたくさん食べるなんて、私の人生で初めてです(^^)♪ こういうのは、ひとりで、一人分の畑をやっていた時には、味わえなかったことですね!

 

 

この日は、ちょうど研修の折り返し地点(前期の最終日)でした。研修は一時間早めに終わり、収穫祭がありました。自分たちで育てたスイカ、枝豆、トマト、きゅうり、ナス等々、たくさん食べました。ノンアルビールで乾杯しました!

 

 

 

農園にはクルマやバイクで来る人が多いので、ノンアルビールと缶コーヒーが冷やされていました(^^)

 

 

調理は、農園の空きスペースに鉄板を設置。特に、焼きナスがトロトロで美味しかった~~。

 

 

週1回だけなんて、本来の意味での農作業(=責任を持って毎日作業をする)からは程遠く、お遊び程度でしかないのかもしれません。私たちが時間内に出来なかった作業は、スタッフの方々が別の日にフォローをしてくれています。

 

それでもなお、土に触れ、野菜の成長を感じられる機会を持つというのは、それがたった週一度でも、ものすごい気分転換と癒しになるのだなぁ…と驚きます。

 

農作業、おススメですヨ(^^)!!!

 

以上が、前半期の振り返りレポートです。8月からは後半期が始まっています。後半のレポートもお楽しみに♬