私の初監督作『ブライアンと仲間たち』の主人公ブライアン・ホウさんは、2026年の今年、イギリスの国会前で抗議活動を始めて25年、そして2011年に亡くなってから15年の節目の年です。
国会前で長期間、寝泊まりをしながら抗議活動をするブライアンのスタイルは、イギリス政府にとっても初めてのことで、ブライアンの抗議活動を機に、イギリス政府はSOCPA法(Serious Organised Crime and Police Act 2005)を、2005年に制定しました。
この法律は、国会議事堂周辺など、指定された区域の半径1キロメートル圏内で、事前に警察の許可を得ずに行うデモや抗議活動を違法とするもので、市民の表現の自由を不当に制限するものとして、制定当時から大きな論争となりました。
私の映画の中でも、この法律については詳しく取り上げていますが、ロンドン在住のフリー・ジャーナリスト、Rikki Blueさんは、SOCPA法そのものをテーマにした映画『SOCPA - The Movie』を2007年に作りました。
Rikkiさんの運営するサイト「Real Media」(非営利の独立系ニュースサイト)では、ブライアンの抗議活動開始25年を記念する記事とともに、ドネーションにより『SOCPA - The Movie』をオンラインで視聴できるようになっています。
「Real Media」2026年6月2日の記事
Remembering Brian Haw – 25 years
Brian began his decade long Parliament Square peace vigil on this day 2001.
(ブライアン・ホウを偲んで - 25年:ブライアンは2001年のこの日、パーラメント・スクエアで10年に及ぶ平和運動を始めた)
※記事は英語ですが、Googleなどの機械翻訳でほとんど理解できると思いますので、ぜひ読んでみてください。
私も、この25年を記念して、なにか動画をアップしたいと考えていました。2020年のコロナ禍に、過去に撮ったMiniDVテープのデジタル化作業をしていた時、(これはいつか紹介したいな)と思っていた映像がありました。
パーラメント・スクエアで、ブライアンがイギリス式の朝食を作る様子を撮影したものです。私の映画の中でもごく一部使っていますが、もともとは20分近く撮影したものです。
風雨にさらされ傷んだガスコンロで、点火するにも難儀しながら、ベーコンを焼く。水場もまな板もない状況で、片方の手にトマトを持ち、もう片方の手に持ったペティ・ナイフで、器用にトマトをスライスしていく。超・甘党のブライアンは、コーヒーに砂糖をスプーンで入れることはせず、砂糖袋から直接ザザーっとマグカップに投入する…
そんな様子が私には面白く、また、パーラメント・スクエアという非日常の生活空間での暮らしぶりが伝わるような感じがして、ずっとカメラを回していたのでした。
動画の最後に登場するのは、イギリスでおなじみの「HPソース」。HPは「Houses of Parliament」の略で、国会議事堂のことです。国会前で調理したイングリッシュ・ブレックファーストに、HPソースを添えるというのもなんだか可笑しくて、最後に大写ししました。
動画は以下よりご覧いただけます。ぜひご覧ください。
大国がこぞって戦争をする現在の状況に、ブライアンだったらどんなことを言うだろう?と時々思います。イギリスの国会前で平和を叫び続けたブライアンのことを、忘れずにいたいです。