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『ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1』公式サイト
作品解説−映画『ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1』とは?−


ブライアン・ホウとディスプレイ - (c)Barbara Tucker

「ビッグ・ベン」の愛称で知られる、イギリスはロンドンの国会議事堂。ここはロンドンを訪れる観光客にとって、外すことの出来ない観光名所。しかし、この建物の向かい側に位置する広場、パーラメント・スクエアには、国会議員たちにとって”eyesore”(目障り)な存在がある。なんと、ここにテントを張って生活をしながら、8年以上家にも帰らず、1日も休まず、英米政府のテロ撲滅戦争に抗議している男性がいるのだ!

Brian Haw(ブライアン・ホウ、1949年生まれのイギリス人)は、2001年6月2日にパーラメント・スクエアで抗議活動を始めた。彼は、このロンドンのど真ん中で、「イラクの子供たちを殺すな!」、「嘘つきブレア!」などと書かれた大きなプラカードや横断幕を堂々と掲げ、年中無休のデモを展開している。

ブライアンがこの場所で抗議活動を始めて以降、世界中から彼を支持する人々が訪れ、平和を願うメッセージやプラカードを彼に託していった。それらは日々増殖し、やがてパーラメント・スクエアの横幅40mまで広がる、大きなディスプレイとなった。さらに、彼と共にテントを張って寝泊りをしながら抗議活動をするサポーターたちも現れ、現在、国会の目の前には常に10前後のテントが張られている状態だ。

これまでに、イギリス議会は何度もブライアンをパーラメント・スクエアから追い出そうと試みてきた。議会は2005年にSOCPA法(重大組織犯罪及び警察法)を制定。この法律は「パーラメント・スクエアの半径1km圏内で抗議活動を行う場合には、事前に警察の許可が必要」という内容のもので、ブライアンの排除を目的として制定された法律といわれている。その法律の下、彼の40mのディスプレイは警察によって奪われ、抗議活動には様々な条件が課せられることとなった。

サポーターの人数の上限、スピーカーマイクの使用時間の制限など、一方的な条件を加えられ、その条件違反を理由に何十回も逮捕されながらも、彼らは独特のユーモアとアイデアで対抗しながら、今日まで抗議活動を続けている。

彼らの存在は社会的にも注目を集め、ブライアンは2007年に、イギリスのテレビ局・チャンネル4の視聴者投票によって、「政治的に最もインスパイアされる人物」に選ばれた。さらに、奪われてしまった40mディスプレイが、アーティストのMark Wallinger(マーク・ウォリンジャー)によって再現され、イギリス現代美術界最高の賞・ターナー賞を受賞するなど、彼らの活動は今や社会現象にまでなっている。

この映画は、ブライアンと彼のサポーターたちを、時には共にテントで生活し、警察と衝突する彼らの間に分け入って撮影しながら、約1年半に渡って追い続けたドキュメンタリーである。これまでの生活を捨て、彼と共にここで生活することを選んだシングルマザー、半世紀以上反戦活動を続けるおじいさん、エキセントリックな人形アーティスト、元労働党内閣の政治家などのインタビューを通して、王室でもサッカーでもない、”新たなイギリス”がここに描かれる。

※2011年6月18日、肺がんを患っていたブライアン・ホウさんは永眠されました。62才という若さでした。ご冥福をお祈りいたします。