【雑木林コラム】ひとり親方はつらいよ(> <) ~ひとり親方の自由とリスクについて考える

昨日は、りべるたんの仲間数人と、菅谷圭祐さんのお見舞いに行ってきました。菅谷さんは、フットサルをしていた時に、アキレス腱を断裂してしまったからです! クリスマスイブに入院し、クリスマスに手術をしました。

 

事前に病院の名前を聞き、行き方を調べました。ネットの口コミがやたら悪い病院で、若干心配しましたが、実際には普通そうでした(^^;)

 

 

部屋を訪ねると、横たわる菅谷さんの姿が!

 

 

 

菅谷さんは今年の4月から、横浜でリサイクルショップを始めました。障害者介助の仕事とリサイクルショップの収入で、生計を立てています。住まいは店舗付き住宅で、家賃は6万円台。店舗と家を別々に借りるよりもだいぶ割安になるので、自営業や小商いをとりあえず始めたい…という人にはぴったりですよね(^^)

 

ところがその生活は、12月20日に一変してしまいました。松葉杖がないと歩けず、日常生活への復帰に3か月、完治までに半年もかかるというアキレス腱断裂により、肉体労働の障害者介助の仕事も、同じく、肉体労働であるリサイクルショップや片付けの仕事も、出来なくなってしまいました。家のトイレが和式なので、単に「家に住む」ことすらできなくなりました。

 

ケガをするだけでも大変なことですが、さらに収入がなくなる、治療費がかかるようになる、一方で、これまで通り生活費はかかる、奨学金や学生ローンの返済もある…という状況です。

 

菅谷さんは「自主生存」を自ら実践し、大変さはありつつも、自分で働く自由も満喫できる、ある種、「ひとり親方」的な生活の途上にいました。それがほんの少しのきっかけで、いきなり「すべてを失う」に等しい状態になってしまったのです。

 

私自身も、インディペンデントの映画監督として、(収入と言えるほど稼げていないものの)「ひとり親方」です。自分で撮影し、編集し、宣伝し、上映会の対応をし、ブログを書き…と、社長&社員&アルバイトまで兼ねたような働きをしています。もし私がケガをしたら、代わりの人はいないので、いきなり全てがストップします。

 

また、住まいに関していえば、私は現在、空き家の管理をして暮らしています。家賃が発生しない代わりに、このブログにも時々書いていますが、夏は朝4時半に起きて草取りをし、冬は竹・笹の伐採、屋根に登って雨どいの掃除など、危険も伴う肉体労働をする日々です。これら、体が健康でも、相当にハードな作業ばかりです。

 

もしケガをして、空き家の維持管理が出来なくなると、大家さんにとっては私をここに無料で住まわせるメリットがなくなります。今は、維持管理の一環で、庭を開墾し、自分で食べる野菜を育てているので、食費もだいぶ抑えられていますが、体が動けなくなったら、食費もかかるようになってしまいます。

 

そして、私は古い家に住んでいるので、家の造りはバリアフリーとは無縁です。家の門扉は、小学校の門のように重く頑丈で、なおかつ錆びているので、いつも全身の体重をかけて開け閉めします。以前、3日間ぐらい腰が痛くなってしまった際、門の開け閉めが出来なくなり、夜間も開放したまま寝ていました。その時、(うわぁ、この家は、体が悪くなったら、外にさえ出られなくなってしまう家なんだ…(> <)!)と恐ろしくなったのを覚えています。

 

ここは、桜が満開の時期や、気候の穏やかなシーズンなどは、まさに(地上の楽園!)と思うような素晴らしい景色が楽しめる場所です。そんな環境の中で日々生活をしているありがたさはありますが、いちど体にケガでもすれば、この大自然と古い家は、突然人間に牙をむくようになるのです。

 

…と、私の個人的な事情を書きましたが、私だけがとりたてて特殊な状況で暮らしているわけではありません。私の周りには、菅谷さんに限らず、あらゆる分野で「ひとり親方」として頑張っている人がいます。フリーランスのジャーナリストや芸術家はもちろん、小さなレストランの経営者、整体師、塾経営者、デザイナー、美容室のオーナー、翻訳家…などなど、挙げればきりがありません。

 

国の社会保障がほとんど機能しないので、これまで「何かあったとき」のセーフティーネットは、「家族」にされてしまう場面が多かったわけですが、近頃は、同居・頼れる家族のない、独身・ひとり住まいの「ひとり親方」も増えてきています。今回の菅谷さんのケースも然り。

 

でも、だからと言って、セーフティーネットのために家庭を持つわけではないし、中にはリスクが「半減」というより、逆に「倍増」(!)するケースもままあるため(^^;)、「誰かと暮らす」というのも、これまたそう簡単なことではありません。

 

さらには、肉体的なケガや病気だけでなく、メンタル面の不調も要注意です。体にはケガ・病気は無くても、パニック障害や双極性障害などの症状から、仕事を続けられなくなる、これまで住んでいた家に暮らせなくなる、日常生活を送ることが出来なくなる…というケースもあるからです。

 

自由を満喫しつつも、転落と隣り合わせの「ひとり親方」。一体どうすればいいのでしょう?!?! 私自身、心の片隅に不安はありつつも、でも、なんらの対策も思いつかず、予防策もなく、日々、目の前の日課をこなすだけで精一杯の暮らしです。

 

菅谷さんは、今回のアキレス腱断裂を機に、自分がどうやって生きて行くことができるのか、他の人の役にも立てば…と、ブログで綴っていくことにしたそうです。「家族」、「血縁」、「地縁」ではない繋がりの中で、ひとり親方が生き延びていくための術。ぜひ発信し、共有してほしいですね!

 

菅谷さんのブログ「すがや圭祐の生存報告!」はこちら。興味のある方は、読んでみてください♬

 

以下、お見舞い時の写真を紹介します。

 

病室は、カーテンで仕切られた4人部屋。

 

 

大人数で騒がしくなるので、廊下で歓談(^^)

 

 

ぶん斗さんより、カットフルーツの差し入れ(^^)

 

 

病院内の移動は松葉杖。

 

 

菅谷さんから頼まれ、病院内のコインランドリーで洗濯をしました。私が洗濯し、ぶん斗さんに畳むのをお願いしました。以下は、ぶん斗さん渾身の「洗濯もの畳み」(^^)

 

 

 

 

 

 

なんだか、ものすごい苦役をお願いしてしまったようで、ごめん…(^^;)

 

 

以上、「ひとり親方」についてのコラムでした! ひとり親方の皆さん、とりあえず、まずは健康第一で!!