【映画監督、日々の暮らし③】多摩川河川敷ブランド?!

畑をやるようになってから、日の出&日の入り時間、そして気温、地温、日照時間、雨などを、以前よりも気にするようになりました。それにしても、8月前半の2週間に及ぶ長雨と低温には、私だけでなく、関東地方の農家の皆さんが悲鳴を上げたのではないかと思います。

 

もし普段の「夏らしい」天気だったら、今頃、食べきれないぐらいの野菜がとれ続けているだろうな・・・と残念な気持ちもありますが、それでもなお、いまだに「米以外の野菜100%自給」を達成し続けていますので、まぁいいかとも思っています。

 

この日も、あいにく朝から雨でしたが、普段より時間をかけて畑を回り、多めに野菜を収穫しました。ジャガイモ以外は、この日の朝に収穫した野菜です。

 

 

普段自分が食べる量よりも多めに収穫したのは、この日、私の家に遊びに来てくれる小西修さんに、庭でとれた野菜を使って料理を作ってもらうことになっていたからです!

 

プロカメラマンの小西さんは、お仕事の傍ら、25年以上、多摩川河川敷を自転車で回り、飼い主の都合によって遺棄された犬・猫たちの保護活動をされています。多摩川は、全長138キロもある長~い川。小西さんは毎日、自転車であれば往復約60キロの流域を回り、上流の奥多摩方面に行く場合は電車を使うそうです。(動物の遺棄や虐待などの問題は、下流域で多く発生するので、下流域に通うほうが多いそうです)

 

小西さんのホームページには、遺棄されて餓死しそうになったり、エアガンや花火・熱湯などで人間から虐待され、瀕死の状態になった犬猫たちの写真が掲載されています。中には、毒エサをわざと与えに来る人までいるそうです。

 

9月27日~10月2日まで、高円寺のギャラリー・来舎で「多摩川の猫」という写真展を開催されるそうで、そのお話も聞きしました。

 

写真展の案内はがきはこちら。

 

 

ぜひ、多くの方に写真展を見てほしいと思います。

 

ところで、そもそも、小西さんと最初に知り合ったきっかけは、私が初めて担当した、映像ワークショップでした。市民メディアセンター・メディアールで、映画監督の根来祐さんとともに、2011年1月から全8回の講座でした。小西さんは、写真はプロですが、動画制作にも興味を持って、受講してくださったのです。

 

その時に小西さんが制作された映像、『ネコとおっちゃん』~多摩川河川敷の物語 Part – 1~はこちらからご覧になれます。

 

 

その後、ビデオカメラの調子が悪くなり、映像からすっかり離れてしまったそうで、この日は、立川シビル用に作成したレジメを使いながら、映像編集のおさらいをすることになっていました。

 

 

2時間弱で、スライドショー作成と映像編集についておさらいし、その後は待ちに待った(?)小西さんの手料理を!

 

なんと、多摩川河川敷で野菜を育てている野宿者の方々からの、頂き物の野菜を持ってきてくださいました! 鎌倉ブランドならぬ、多摩川河川敷ブランドの野菜とは!!

 

多摩川の流域は広いので、狛江や大田区など産地は様々(^^)。下記の写真のうち、万願寺トウガラシ、玉ねぎ、ゴーヤが多摩川産です♪

 

 

すごい、こんなに立派に育つんだ?!

 

 

これらの野菜は、種を買ってきて育てるものもあれば、食べた後にその辺に捨てた種から、自然に育ったものもあるそうです。小西さんによると、多摩川ではグレープフルーツの木まであるとか! その辺に吐いた種から、今では立派な木が育ち、実が成っているという・・・。えええ!? 私はグレープフルーツと言えば、カリフォルニア産しか食べたことがないのに、多摩川産もあるのか!

 

いろんな方がうちに来て料理を作ってくれますが、マイ包丁を持ってくる人は初めてです(*^^*)

 

 

料理をする小西さん。レア写真かも?! 映画監督もそうですが、自分は撮るばかりで撮られる機会はあまりなかったり、撮られるのは苦手だったりしますからね(^^;)

 

 

 

 

料理は小西さんにお任せして、私は自家製ぬか漬けの準備をしました。もちろん、キュウリもナスも、自分の畑でとれたもの。

 

 

 

小西さんが作ってくれた多摩川産野菜のおつまみ! なんという贅沢(^^)/

 

 

 

 

(※上記魚介類は多摩川産ではありません、念のため^^; あ、でも、スッポンとかドジョウとかも取れるそうですよ^^)

 

とても美味しかったです!

 

ところで、私は雨が降っていなければ、ほぼ毎日草取りをしているので、「蚊」には本当にうんざりしています。蚊取り線香を4つ置いて、長袖長ズボンで草取りをすることで、なんとかしのいでいますが、汗を大量にかくので、腕にできた汗疹が日に日にひどくなってきて、痛痒くて・・・という状態です(> <)

 

同じく、雑草ばかりの多摩川で、保護活動をされる小西さんは、どのような虫対策をされているのか、聞いてみました。

 

暑いし、作業の邪魔になるので、半袖で活動をされているそうです。下は、薄手のナイロンの長ズボン。腕を蚊に刺されるのは、もうある程度諦めているそうですが、多摩川河川敷の中でも、ひときわ人目に付きにくい、うっそうとした竹藪(こういう中でも生活をしている人がいます)に行くときは、蚊の量がハンパなく、腕にびっしりと蚊が止まって真っ黒になり、腕の皮膚が見えないぐらいになるので(OMG!!)、その場所に行くときだけは、ゴキブリ用殺虫スプレーを腕に吹きかけて行くそうです。

 

ええ! ゴキブリ用殺虫スプレーなんて、肌に吹きかけて大丈夫?!と、むしろそちらを心配してしまうのですが、普通の虫よけ&蚊よけでは、全く効果がないため、ゴキブリ用を使うそう。ひえええ、大変だ・・・(> <)

 

そうやって、四半世紀以上もの間、年中活動を続けているのですね。。。

 

ところで、小西さんが私の家に遊びに来てくれた日は、8月15日でした。日本は戦後70数年間、平和を守り続けてきた・・・と言われるけれど、戦争と全く同じ構造が、この多摩川河川敷では、ずっと起こり続けていると感じました。捨てられた動物たち、そして河川敷で暮らさざるを得ない人間たちが、厳しい自然環境で暮らし、無法地帯の中で、抵抗する手段もなく、攻撃され、虐待され、命を落としている。そして、それらの失われた命は、カウントさえされない。。。

 

そんなことを思った、終戦記念日でした。