【制作日誌】ドキュメンタリーかフィクションか(2018.01.20 革命前夜)

普段、買い物は1週間から10日に1度、まとめて買い出しに出かけています。いまだに、お米以外の野菜は自給できているので、それ以外の食材や生活雑貨などを買います。買い物の頻度が少ない分、一度の買い物で、離れたお店を何軒も回って買うので、ちょっとした「お出かけ」になります。

 

今日の午前中は買い出しに出かけると決めていましたが、家の敷地から出るのが億劫で、(来週にしようかな…)と思い始めました。朝、(もう今日は出かけない!)と決めると、庭仕事も編集作業もその分はかどるなぁと、なんだかウキウキしてきました(^^)

 

庭仕事を終え、お昼ご飯を食べながら、スマホで明日以降の天気予報をチェックしました。

 

…うわ、来週は最悪の天気じゃないですか…!

 

 

月曜日は都内でも雪が降ると言われていますが、こちらも雪マーク。その翌日、翌々日も、とても低い気温の予想です(> <)

 

月曜日に雪が降った後、さらに雪が降ったり、路面が凍ったりすることも考えられます。もしそうなれば、自転車でさえ億劫な買い物を、今度は徒歩で、両手に荷物を抱えてやらなければなりません。そんな自分の姿を想像して(絶対に嫌!)と思い、急いでご飯を食べ終えて自転車に飛び乗り、買い物に出かけました(^^;)

 

そんなわけで、今日は予定外に庭仕事を長くやり、その上買い物にも出かけたので、編集作業の時間は短くなってしまいました。でも、りべるたんの撮影を始めてから、選挙の投票日翌日までの写真データの見返しが終了しました♪

 

ちなみに、選挙期間中の動画データは、まだ選挙戦3日目ぐらいまでです。データを保存した順に見ているので、動画と写真は部分的に前後するときがあるのだと思います。

 

動画上では、まだ選挙期間中のものの、写真データ上では、投票日翌日まで確認し終えた選挙戦。写真を見ながら、当時の記憶がよみがえってきましたが、(こんな状況だったんだ?)(こんなの撮ってたんだ?)と思うような写真もたくさんありました。

 

今日は、投票日当日の写真を何枚かご紹介します(^^)

 

投票日には、開票結果を聞くために、沢山の人がりべるたんに集まってきました。当選をお祝いしようと、くす玉を手作りしたり、豪華なちらし寿司を作る人もいたり。普段もにぎやかなりべるたんの飲み会が、この日は更にパワーアップしていました(^^)

 

 

 

 

開票の状況は、豊島区のホームページに刻々とアップされていました。また、開票の立会人として、開票所に行った宮内さんからも、菅谷さんに状況の報告がされていました。

 

みんな、開票結果を心待ちにしつつも、飲み会で大盛り上がりです。私も、(歴史的な瞬間を撮るぞ!)とテンション高めで撮影をしていました。

 

実は、後から聞いた話によると、菅谷さんにはかなり前の段階で、宮内さんから「厳しいだろう。みんなへの報告のタイミングは任せる」と連絡が入っていたそうです。

 

当日の写真を見ると、当初、盛り上がっていた菅谷さんの表情は、次第に落ち着かない表情に変わっていきます。でも、それとは対照的に、集まった人たちは、どんどん酒が進み、さらに盛り上がっていきます(> <)

 

当選の瞬間を祝うためのくす玉はいつの間にか割られ、床には紙吹雪が散乱し…と、写真を見るだけでも、当時の「大騒ぎ」の様子が伝わってきます。

 

あらゆるものが床に散乱した翌朝の様子からも、前日の盛り上がりが分かりますね(^^;)

 

 

スマホで現場の状況写真を撮る井田さん(^^)

 

 

わたし的には、投票日に撮った写真の中で、ひときわ印象的だったのがこちらの写真。

 

 

大はしゃぎの大宴会の中で、ひとり、泣きそうな顔の菅谷さん。そしてその隣には、ミラーボール状の割れたくす玉と、「警視庁公安部」とゲバ字で書かれた黒ヘルをかぶったずーしみさんが、(選挙なんてくだらねぇ)とでも言ってそうな表情で座っている…。

 

私はこの写真を撮ったことをすっかり忘れていたのですが、これを見て自分の頭に浮かんだのは、「ドキュメンタリーとフィクション」についてでした。

 

ドキュメンタリーを撮り始めて、まだ数年しか経っていない頃までは、上映会などで「今後、劇映画を撮る予定はありますか?」と聞かれることがよくありました。(もう10年以上ドキュメンタリーだけを撮り続けているので、最近は聞かれなくなりましたが)。

 

低予算・少人数で始められるドキュメンタリーや、同じくピンク映画などは、新人の監督が経験を積む場でもあります。今では日本を代表する巨匠たちが、駆け出しのころはピンク映画を撮っていたり、テレビドキュメンタリーを撮っていたというのは、よく知られています。

 

「映画」と言えば、まだまだ一般には「劇映画」(フィクション)のイメージが強いので、上映会で新人の私に「劇映画は?」と質問された方々は、私も(ドキュメンタリーを踏み台にして、いずれ劇映画の監督を目指しているのだろう)と思って聞いたのかもしれません。

 

ちなみに、その質問に対する私の答えは、今も昔も変わりません。「私の想像力は、実在する人たちにかなわない」。私がどれだけ想像力を働かせて、奇想天外な映画の構想を練ったとしても、現実に存在する人たちのほうがよっぽど「ぶっとんで」います(^^)。文字通り「事実は小説よりも奇なり」で、現実を撮る方が面白いと、ドキュメンタリーを作り続けています。(もちろん、故人を扱った作品や、サスペンスやファンタジーなど、フィクションでないと実現できない映画もありますが)。

 

また、「ドキュメンタリーとフィクションは、どちらの方が作りやすいか?」とも聞かれたことがあるのですが、どちらも異なる大変さがあるように思います。私は劇映画を作ったことがありませんが、私から見れば、それぞれの大変さは、ドキュメンタリーは「粘り強さ」、フィクションは「想像力・再現力」にあるのではないかと思います。

 

例えば、劇映画の登場人物の場合、その役柄にリアルさを持たせるというのは、ちょっと想像するだけでも、相当大変そうだな…と思います。もともとの顔の造作、服装、髪形といった基本的なことから、表情、声色、話し方、タバコの吸い方、立ち姿…といったことまで全部ひっくるめて、その役柄に「リアルさ」が生まれるわけですから。

 

こういう人だったら、こんな洋服を着てそうとか、髪形はこんな感じかなとか、タバコはこんな銘柄を好んでそうで、それをこんな風に吸って…とか! 監督、脚本家、スタイリスト、役者…といった、劇映画に関わる人たち全てが、相当な人間観察や想像力、アイデアを働かせないと、役柄にリアリティは生まれないのだと思います。

 

もし私が劇映画の監督、もしくはスタイリストさんだったら、まず、「くす玉 × 黒ヘル × 警視庁公安部」というファッション・コーディネートは思いつかないでしょう!!! でも現実には、宴会の成り行きでこのファッション(?)が生み出され、隣の菅谷さんの泣きそうな表情と相まって、「りべるたんの投開票日」という絶妙な光景を作り出しているのです。こんなの自分じゃ作り出せないよーーー(^^;)

 

もうひとつ、私が「完璧な役作り!」と思った写真があります。もちろん、本人は「役作り」なんかじゃなく、普通に写真を撮っただけだと思いますが、映画的な視点から見れば、まるで役作りであるかのように、その人を構成する様々な要素がすべて調和している!と思えるような写真だったのです。

 

その写真はこちら。今田さんとインタビューの日程をラインでやり取りしていた際、プロフィール画像に(これ決まりすぎでしょ!)と驚いて、「この写真を映画に使わせてほしいので、高解像度の元画像を送ってください!」とお願いして送ってもらったものです。

 

 

髪形、表情、中指を立てたポーズ、指輪やネックレスなどのアクセサリーのチョイス、洋服、使い捨てマスク、タバコのくわえ方、さらには眉毛やヒゲの整え方といった細部まで、劇映画や役者という観点から見たら、「こんな完璧な役作りはない!」というレベルではないでしょうか(^^)

 

いやはや、こういうの、自分で考えて役柄の設定をするなんて、私には到底無理だわ…と思うのですが、劇映画を作る人たちは、きっとこういう所に苦心したり、ひそかなこだわりを込めたりするのも、フィクションならではの苦労と楽しみなのでしょうね(^^)

 

以上、本日の制作日誌でした(^^)/