続・アーカイブについて考える ~永久保存が可能なメディア?!~

(以下の記事は、「アーカイブの家~その記録、ゴミか資産か?~」の続編となっています。よろしければ、前編からご覧ください。)

 

前回の記事で、イギリスで購入したPAL方式ビデオカメラのMiniDVテープの取り込みについて、e-bayで再生デッキを購入したら再生ができた…というところまで書きました。

 

今日は、「その後」について書きたいと思います。

 

MiniDVテープの「再生」ができたら、次は「取り込み」です。以前、まだ自分のビデオカメラが壊れていなかった時は、ビデオカメラでテープを再生し、IEEE1394というケーブル(iLinkケーブルとかFireWireケーブルとも呼ばれる)で編集用のデスクトップ・パソコンと繋ぎ、取り込みをしていました。

 

しかし、まだMiniDVテープで撮影をしていた頃から、デスクトップ・パソコンの取り込みは、気がついたら途中で落ちてしまうことが多く、取り込み作業は安定していませんでした。

 

MiniDVテープをパソコンに取り込むには、パソコン側にもIEEE1394に対応した接続口がなければなりません。

 

2010年頃までは、WindowsのノートパソコンにもIEEE1394の接続口が付いているものはありましたし、付いていない場合でも、PC拡張カードを挿せば対応できるようになっていたりしました。

 

しかし、こちらのネット記事にもあるように、その後、ノートPCの小型化・軽量化が進んで、拡張カード・スロットはほとんど搭載されなくなってしまったのです。

 

現状では、市販されているノートパソコンやデスクトップ・パソコンでは、IEEE1394の接続に対応しているものはほぼ皆無なので、Windowsのパソコンで対応させたいならば、デスクトップのパソコンを自作するしかありません(自作用のIEEE1394接続関連部品は、今でも販売されています)。

 

私の編集用デスクトップ・パソコンは自作したものですが、IEEE1394のためだけに新調するのはちょっと…と思いました。フル・リニューアルをするなら、『革命前夜』のパソコン上での編集時に行いたいのです(パソコンのパーツも日々進化していくので、なるべくリニューアルは先延ばしし、その時の最新のものをそろえたいという理由から)。

 

どうしよう…と思い悩んでいた時、ネット上でこちらの記事を見つけました。

 

(以下、引用)=====

 

「お悩み解決メルマガ【第32回】miniDVテープの映像を残したい!」

 

第32回目となる今回のお題は、「miniDVテープの映像を残したい!」です。

 

かつて、家庭用ビデオカメラ向けに幅広く利用されていた
「mini DV」と呼ばれる規格の小型ビデオテープを使うビデオカメラ。

 

しかし、ビデオテープよりも取り扱いと映像の頭出しが容易な
HDDやDVD、SDカードなどのメディアを利用するビデオカメラが主流となり、
mini DVは市場から姿を消してしまいました。

 

ビデオカメラの故障やテープの劣化で映像を見られなくなってしまう前に、
むかし撮影した、お子様の姿や数々の思い出を残したい。

 

そんな悩みはありませんか?

 

今回はmini DVテープの映像を保存するための【4つの方法】と
必要なアクセサリーをご紹介します。

 

それではどうぞ。

 

=====(引用終わり)

 

おぉ、まさに私のど・ストライク記事!!

 

こちらの記事によれば、昔のビデオテープやMiniDVテープの取り込みに対応する商品がいくつか販売されていて、例えば「ビデオキャプチャーケーブル」という数千円程度の商品を購入すれば、ビデオカメラとパソコンを繋いで、簡単に取り込みができるとのことでした。

 

ケーブルだけならごく簡単、費用も安くて済みますが、IEEE1394ケーブル以外の方法で取り込む場合の最大の欠点は、画質がSD画質に下げられてしまうことです。

 

もともとSD画質で記録したテープならば良いですが、HDV画質で記録していた場合、ビデオキャプチャーで取り込みをすると、SD画質へ自動的に下げられてしまいます(フジ・フィルムのダビングサービスも同様ですが)。せっかく高画質で撮影したのに、それはもったいないこと!!

 

SDでもHDVでも、オリジナルの画質のままパソコンに取り込むには、やはりIEEE1394での接続となります。しかしそれは前述したように、Windowsでは自作をしない限り難しいのですが、Macならば現在でも比較的容易に可能ということが、上記サンワの記事でわかりました。

 

(以下、引用)=====

 

【ThunderBolt端子を使う】

 

ThunderBolt端子搭載のMacの場合、IEEE1394端子を追加する「ThunderBolt- FireWireアダプター」とIEEE1394ケーブル(4pin-9pin)を組み合わせてカメラに接続します。

 

=====(引用終わり)

 

該当のアダプターはこちら(Appleストアより)。

 

私はWindowsユーザーなので、Macで使われる用語は耳慣れないものばかりです。この「ThunderBolt」という端子も、今回初めて知りました。

 

調べていくと、現在、ThunderBoltのバージョンは「3」。IEEE1394(FireWire)のアダプターが使用できるThunderBoltのバージョンは「1」と「2」。「1」と「2」はUSB2.0と3.0のような差で、相互に互換性がありますが、「3」はUSBタイプCのような形状で、「1」と「2」とはほぼ別物のようです。

 

ThunderBolt「3」と「2」の変換プラグも販売されていましたが、Apple ショップの店員さんに聞いたところ、「変換プラグによって、3と2の変換は理論上はできるが、実際にはやってみないとわからない、保証はできない」と言われてしまいました。

 

…ということは、ThunderBolt 2が搭載されている中古のMacを購入し、「ThunderBolt- FireWireアダプター」を使ってIEEE1394ケーブルでつなぐ…というのが、失敗のリスクが一番少なそうな選択肢だと思いました。

 

電化製品、しかもパソコンで中古品を購入するというのは、これまでにやったことがありませんでしたが(精密機械ですし、やろうとも思わないのですが)、いかんせん、もう販売されていないMiniDVにまつわる製品というのは、再生デッキ然り、パソコン然り、中古市場で探す必要が出てきてしまいます。

 

中古品だと、バッテリーの持ちが悪いのではないか? メーカー修理に対応してくれる期間が短くなるのではないか?…etc考え、ThunderBolt 2のMacが販売されていた最後の時期(2017年)の中古品を探すことにしました。

 

最終的にはソフマップのウェブショップで、3年保証をつけて約7万円でMacbook Airを購入しました。

 

 

(中古品ってどんなもんよ?)と思っていましたが、外箱もとてもきれいですし、前所有者がケーブルを束ねていた巻紙までとって置いてあるのには驚きました。

 

 

 

今回、Macの中古市場を見てみて、Macは中古でも値崩れしないのだな…とも思いました。だからなのか、新製品が出たら買い替えるつもりのユーザーが多いのか、化粧箱などもきれいに取っておくのかもしれません…?

 

箱を開けると、ほとんど新品のような佇まい!!

 

 

 

 

キーボードも、使い込んだ形跡はほとんどありません。

 

 

Macの他、IEEE1394のケーブルと、「ThunderBolt- FireWireアダプター」も購入しました。これで理論上はできるはずなのですが…!!

 

 

「FireWire for Mac」って、IEEE1394ケーブルに、WindowsとMacの違いがあるのでしょうか?? 謎ですが、一応「for Mac」というのを購入しておきました。

 

 

 

ちなみに、テープの取り込みやデジタル化を考える際、「どんなメディアに保存するか」というのも大事なテーマです。

 

これまで紹介してきたように、テープやディスクなどの媒体・規格の変化に伴って、ケーブルや接続口も変わります(これは単に技術革新だけでなく、買い替え需要を狙うメーカー側の思惑もあるのでしょう)。

 

なんとか旧式のメディアを再生できたとしても、今度はパソコン側のOSや動画編集ソフトがそれに対応しているかという問題もあります。

 

今回、Macを購入しようと思ったもう一つの理由は、Macならば、無料の付属ソフト・iMovieで、現在もテープメディアの取り込み・編集に対応している旨、Appleのホームページに掲載されていたから、というのもありました⇒こちら

 

一方、現在市販されているWindows用の動画編集ソフトでは、テープメディアまでは対応していないものがほとんどではないかと思います。

 

さて、テープを取り込み、デジタル化をするならば、長続きする・汎用性のあるメディアに保存したい、しかも長期間…。誰もがそう思うことでしょう。

 

どんなメディアに保存するかを検討していた際、「メディアの寿命」についても調べました。

 

人間同様、メディアの寿命も「環境」に大きく左右されます。保存に適した温度や湿度での管理、そしてなにより「日光に当てない」というのが鉄則です。

 

諸説あるものの、適正な環境で保管した場合、平均寿命は、CDやDVD、ブルーレイなどの光メディアは10~15年、ハードディスクは5年、USBメモリは3年程度なのだそうです。

 

…短かいなぁ!!!

 

撮影データの保存先として、外付けのハードディスクにデータを保管する人は私を含め多いですが、5年も経てばもういつ壊れてもおかしくない状況になるのですね…(> <)(ただし、こちらについては、前回のブログをご覧になった方から、「ハードディスクはたまに通電してあげると寿命が延びるらしい」とも教えてもらいました)。

 

国立国会図書館などのホームページで、資料の保存に関する記述などを見ていると、「ミグレーション」という言葉が頻繁に出てきます。これは「データの移し替え」という意味で、上述したように保存メディアには寿命があるため、メディアが劣化しデータが取り出せなくなる前に、また別の新しいメディアにデータを移し替える…ということなのだそうです。

 

データを保存・保管し続ける以上、ずっとこの「ミグレーション作業」が付いて回るということ…。

 

映像制作を続ける限り、撮影素材も日々増えていきます。新しいデータの保存をしながら、なおかつ保存した古いデータの移し替え作業もするなんて、データ保管にまつわる作業というのは、「労働」としては意識されにくいものの、無視できない・馬鹿にならない労働量・コストですね。

 

個人で映像制作をしている私としては、「なるべく長期保管ができるメディアに保存したい」「ミグレーションの頻度を減らしたい(できればしたくない)」と考えます。

 

アーカイブについて調べているときに、ひとつのメディアが目に留まりました。

 

それは「M-DISC」という、これまでに聞いたこともないメディアでした。

 

なんと「生涯保存ができるメディア」とか「100年以上の保存ができる最高品質の光ディスク」などと豪語しているではありませんか! 本当かぁ~~???

 

IOデータのホームページによれば、M-DISCとは、米国Millenniata社が開発した新しい記録メディアで、耐久性を高めたブルーレイディスクやDVDのことだそうです。光・熱・湿度などによる経年劣化に強く、数百年にわたってデータを保存することができ、データの読み込みは一般的なドライブで可能な為、大切なデータや仕事のデータなどの保存に最適な長期保存用メディア…と書いてありました。

 

一般的な光学メディアの寿命は10年程度と言われているのに、なぜM-DISCは数百年もの保存が可能なのでしょうか…??

 

同サイトには、「特許を取得した金属系素材を記録膜に使用し、データ記録時にはまるで石に文字を刻むようにレーザーで物理的な凹凸を生成していく。記録膜の金属系素材は劣化しにくいため、従来型のディスクと比較して耐久性が飛躍的に向上している」とありました。

 

仕組みについては一応理解しましたが、あまりに特殊な製法だと(しかもMillenniata社だけの技術)、今後、その会社が技術開発や生産を止めたり、最悪の場合会社が倒産したら、M-DISCは数百年と生き延びても、それを再生する手段(機器)がこの世にない…ということが起こりうるのではないでしょうか??

 

この点については、データの「書き込み」はM-DISCに対応したドライブでしかできないものの、「読み込み(再生)」は一般的なドライブで可能だそうで、「DVDやBD(ブルーレイディスク)はISO化された国際標準フォーマット。1982年のCD発売以降、DVD・BDと上下位互換し、現在も流通し、再生されている規格です。この先も読み出し環境が入手できなくなることは当面考えられません」…と書いてありました。一応、大丈夫そう…??

 

とはいえ、今回新しく知ったメディアに、保存のすべてを任せてしまうのは、やはり不安があります。法人や大学・図書館向けのアーカイブ・サービスやメディアがどうなっているかも調べました。

 

現在、私が撮影素材のバックアップ・メディアとして利用しているのは、パナソニックの「トリプル・タフコート」というシリーズのブルーレイです。汚れや傷に強く、長期保存に適しているとされているディスクです。

 

同じくパナソニックが、法人向けに、アーカイブに適した業務用のブルーレイ・ディスクを販売しているのを見つけました(サイトはこちら)。サイトには、個人レベルでもアーカイブについて考える際に重要と思われるポイントが列挙されていましたので、以下ご紹介します:

 

(以下、引用)=====

 

【長期保存性】

 

●ブルーレイディスクは、湿度や光、温度の影響を受けにくく経年変化に強いので、耐久性に優れ、長期保存に最適です。

 

●磁気テープやHDDと違い、記録・再生時に記録媒体と機器との接触がないので、繰り返しの読み書きでも(接触でメディアが傷つくことによる)データ損失がありません。

 

ハードディスクの保存寿命は5~10年、磁気テープでは15~20年と言われているのに対し、パナソニックのブルーレイディスクは50年以上の長寿命。保管中にデータを別のメディアに移し替えることなく、長期アーカイブが可能です。

 

【長期見読性】

 

●大容量データを記録できる光学ディスクとして、ブルーレイディスクは既に業界標準。世界中、170社にも及ぶ主要電機メーカー、ソフトウェア企業がブルーレイ規格に参加しており、長期見読性が保証されています。

 

●対応ドライブの普及による幅広い再生環境が整っています。

 

【真正性】

 

●追記型(WORM)構造のBD-Rは、磁気テープ等と異なり物理的に上書きが出来ないしくみになっています。

 

●長期保存が可能なBD-Rはデータ移行の必要がないため、セキュリティリスクがありません。

 

●ディスク固有のシリアルナンバーと固有のID(BCA※[最内周部分領域]に記録)が付与され、DVD等従来の光ディスクの弱点であったメディアその物の真正性の証明が容易です。

 

【低運用コスト】

 

●閲覧していない時も、常にモーターを回転させているRAID(ハードディスク)とは異なり、 ブルーレイディスクは常時通電が不要で、電力にかかるコストを節約できます。

 

●常時通電による発熱がないため、温度調節のための空調費用が発生しません。

 

●データ移行が不要のため、機器の買い替えや入れ替え作業のための費用が発生しません。

 

【環境配慮型メディア】

 

●オフライン管理で常時通電の必要がなく、環境にやさしいアーカイブです。

 

●空調が不要なので、電力消費、CO2の排出を抑えます。データ移行の必然性がなく、機器の入れ替えにともなう大量の廃棄物が発生しません。

 

=====(引用終わり)

 

上記紹介した業務用・アーカイブグレードのブルーレイディスクは、ディスクの寿命が約50年と紹介されています。通常のディスクの寿命(10~15年)に比べたらはるかに長く、なおかつM-DISCのような特殊技術というわけでもないので、こちらを検討するのも良さそうです。

 

気になるのは、「業務用」「法人向け」ということで、個人や個人事業主レベルの人たちにも販売してくれるのかということ。

 

ホームページに掲載されていた案内リーフレット(以下)では、保管寿命50年以上の「アーカイブ・グレード」のブルーレイディスクは、最小注文単位は200枚以上と書いてありますが、値段については記載がありませんでした。

 

 

 

問合せ先として書かれていた「メディア事業部」に電話をしてみると…

 

「この番号は現在使われておりません」

 

!!!

 

なので、サイトにあった問合せ先のメールアドレスに、メールで問い合わせをしてみましたが…

 

1か月以上経つ今も返信無し!

 

業務用のアーカイブ・メディア事業から、撤退してしまったのでしょうか…?

 

真相はわかりませんが、ここ10年ほどでも、私が愛用してきた高品質のDVDは、ことごとく製造中止となっていきました。

 

最初は、TDKの「超硬」シリーズを。
「超硬」シリーズ無きあとは、太陽誘電の日本製「That’s」のシリーズを。
それも無くなってしまった現在は、ソニーの価格帯が一番高いものを。

 

しかし、つい先日、ここ数年購入し続けてきたソニーのDVDが、なぜか価格が6倍ほどに跳ね上がっているのに気がつきました!!

 

ネットショップで価格が異常に高騰するということは、大抵「製造中止」を意味します。買いだめした人が、その商品をまだ欲しいという人たちに向け、高額で販売するのです。

 

DVDディスクの価格破壊はすさまじく、質の低いDVDは信じられないほど安価で出回っています。DVDは、4Kや8Kなどの高画質映像の時代には、保存用メディアとして役に立たない(=容量が小さすぎる)ので、高品質なDVDの需要など、もうほとんどないのでしょう。

 

しかし、映画をDVDで販売している私にとって、高品質・高耐久のDVDは、未だに必要なものなのです。

 

これまで購入していたソニーのDVDが製造中止となったので、代わりになるDVDを探しました。

 

ネットで口コミも参考にしながら調べた結果、太陽誘電の技術を継承した台湾のメーカー「CMC pro」のDVDディスクを購入することにしました。

 

サイトからの引用)=====

 

太陽誘電製光ディスクの国内生産終了に伴い、新しく生産を受け継ぐのは台湾CMC社(CMC Magnetics Corp)。CMC社は太陽誘電社のライセンスを2015年9月に取得。それまで培ってきた太陽誘電品質をそのまま継承するため、専用の制作ライン・スタッフによって、「CMCpro Powered by TY Technology」というブランドの元、高品質な光ディスクの製造を継続します。

 

=====(引用終わり)

 

とりあえず50枚を購入。

 

 

 

 

CMCのディスクはまだ使用していないので、これから使いながら品質やエラーの発生率などみていきたいと思います。

 

さて、話が若干それましたが、問題はアーカイブ用のブルーレイ・メディアをどうするか、です。

 

馴染みのあるパナソニック製ならば、永久保存とまでいかなくとも、50年以上は保存が可能ということで、ほとんど知らないMillenniata社よりも良いかなぁ…と思ったのですが、電話もメールもつながりません。

 

ならば…と、好奇心も手伝って、「M-DISC」を使用してみることにしました!

 

先に書いたとおり、M-DISCに保存するには、M-DISCに対応したブルーレイ・バーナーを使う必要があります。調べると、各社、高めの価格帯のバーナーは、大抵「M-DISC対応」となっていました。

 

私は、バーナーはもう10年以上、パイオニアを使用しています。性能が高く、なおかつ耐久性もあるので、私のようなヘビーユーザーにはぴったりです。今回も、迷わずパイオニアで購入することにしました。

 

一般消費者向け、ハイエンド商品。価格は3万円弱でした。

 

 

 

 

読み書き対応メディア。もちろんM-DISCにも対応!

 

 

一般的なブルーレイ・ディスク(BD-R)は25GB(一層)ですが、50GB(BD-R DL, 二層)、100GB(BD-R TL, 三層)、128GB(BD-R QL, 四層)の読み・書きにまで対応しています。バーナーの買い替えは久しぶりなので、このかんの技術発達には驚きます!

 

 

M-DISCも購入! 使い勝手を見るため、とりあえず50GBと100GBのクラスをそれぞれ1セット(5枚入り)ずつ購入してみました。

 

 

 

 

50GBの方は5枚で4,100円、100GBの方は5枚で6,000円近くしました。高すぎ~~!! でも、パッケージに書かれた「生涯保存」(=ミグレーションの手間・コスト無し)という言葉を信じて、いざ開封!!

 

 

 

M-DISCにもインデックス・カードは付属していましたが、ツルツルの表面加工がしてあったので、長期保存には無加工の紙のほうが良いだろうと考え、インデックス・カードも別途購入しました。

 

 

これから大量のMiniDVテープを取り込むのですから、ヘッドのクリーニングテープも1本購入しておきました(こちらも既に製造中止のため割高ですが、新品がまだ販売されていてよかったです!)。

 

 

もう、MiniDVテープの取り込みをするのに、一体どれだけの買い物をすれば済むの?…と泣きたくなるところですが、これが規格変化の現実です(> <)。このブログを読んでいる皆さんは、どうかお早めに対応してください!

 

さてさて、必要な機材がすべてそろったはずなので、いよいよ再生デッキとMacを繋いでテープの取り込みを始めます!

 

Macを起動し、このMac内に入っているアプリを見ましたが、標準装備なはずのiMovieがありません…

 

購入元のソフマップに問い合わせたところ、中古品のMacは初期化されているので、iMovieは標準装備されておらず、自分でダウンロードしてください、とのこと。

 

(なるほど中古品はやっぱり違うところがあるのね!)と思いつつ、Appleストアのダウンロードページへ…

 

iMovieアプリは探せましたが、ダウンロードのためのボタンが表示されません…

 

調べると、私のMacのOSが古いので、最新のiMovieはダウンロードできないとのこと!!!

 

iMovieのため(だけ)に買ったのに、OSが古くてダウンロードができないなんて!!!

 

(どうしよう、このためにいろいろ買ったのに)とか(もう返品期間は過ぎちゃったし)などとぐるぐる考えながらも、ネットで調べると、このMacのOSを最新版にアップデートすれば解決するということが分かりました。

 

Windowsでは、大幅なOSのアップデート(Windows 7から10とか)は、もうパソコン自体の買い替えというレベルになるかと思いますが、Macはかなり古いバージョンでも最新版にアップデートができるようです。

 

Macは知らないことが多いなぁ!

 

…と、初歩的な部分でつまづきつつ、ずいぶん時間をかけてOSを最新版にアップデートしたところ、無事、iMovieアプリに「ダウンロード」のボタンが表示されました!!

 

iMovieをダウンロード中♬

 

 

無事、インストールされました!!

 

 

 

いざ、取り込みに挑戦!!

 

 

MiniDVテープの箱、「①」と書かれたものから順に取り込みをしていくことに。

 

 

 

 

片隅には、ナンバリングされていない「WillのVideoダイアリー」と書かれたテープが…

 

 

前回のブログで、初めて購入したビデオカメラの調子が悪くなったので、ロンドンで知り合ったイギリス人男性から、MiniDVテープ式のビデオカメラを譲り受けた…ということを書きました。

 

その人のパートナーは日本人で、彼も片言の日本語が話せる人でした。本人としてはイギリスに住み続けたいものの、彼女の要望でもうすぐ日本に引っ越すので、PAL方式のビデオカメラはもう要らなくなる…とのことでした。

 

ビデオカメラ本体とACケーブル、そして未使用のMiniDVテープを何本かもらいました。

 

…ですが、未使用のテープに交じり、1本だけ使われた形跡のあるテープが入っていました。(もし大切なテープなら返さなきゃ)と思い、私は再生してみました。

 

…なんと、全裸になった彼が、ビデオカメラの前で懺悔をしているではありませんか!!! 約3分ほどの映像は、要は、他の女性と関係を持ってしまったことを告白した映像なのでした。

 

その時のビデオテープがこれなのです…

 

 

このテープについては、結局彼には知らせませんでしたが、人にものを渡すときには注意が必要ってことですね(^^;)!!

 

「WillのVideoダイアリー」は飛ばして(笑)、ナンバリングされたテープを順に取り込んでいきます。カセットケースを開くと、記録された内容を細かくメモした紙も出てきました。こういうのがあると、記憶を手繰り寄せるのに役立つので良いですね!

 

 

 

MiniDVテープで撮影した最初の映像は、2008年2月16日。

 

 

再生デッキにテープを挿入し、ThunderBolt- FireWireアダプターとIEEE1394ケーブルを使って、Macと繋ぎます。

 

iMovieを立ち上げ、メディアの読み込みを選ぶと、Macにつないだ再生デッキ(Sony HDV-VCR)が読み込み先として表示されました!!

 

 

表示された「Sony HDV-VCR」をクリックすると、再生デッキの再生・停止・早送り・巻き戻しなどが、Macから連動操作できるようになっていました。

 

読み込み開始ボタンを押して、取り込みスタート!

 

 

MiniDVテープのカメラで、私が最初に記録した映像は、ロンドンで住んでいたシェアハウスの、ハウスメイトの誕生日パーティーでした(^^)

 

 

1本のMiniDVテープに、日をまたいでいくつもの映像が記録されているのに驚きました。SDXCカードに繰り返し記録している現在と違って、テープという限りあるメディアに記録していた当時は、今よりも撮るものを厳選していたのではないかと思います(撮るものを限定するというのも、良し悪しあるかと思いますが…)。

 

最初のテープに記録されていた、その他の映像。路上の大道芸人。

 

 

映像を始めたばかりの私にとって、道端の大道芸人たちは格好の撮影対象でした。パフォーマンスの映像というのは、誰が撮っても見栄えがしますし、路上のパフォーマーたちは気軽に撮影させてくれる人が多いからです(投げ銭などは必要ですが)。

 

私は、路上でパフォーマンスをする人を見つけては、撮影の練習をしていました。

 

以下の映像は、パーラメント・スクエアで平和のための署名を集めるマリア。

 

 

 

イラクへの英軍派遣に反対する集会で、参加者にインタビュー。これらの映像は、映画本編でも使いました。

 

 

こちらは、DVDの特典映像にも登場する、15歳の平和活動家。

 

 

シェアハウスでネズミが発生した時の映像。(この時の映像は、編集してYouTubeにも投稿しました。こちらよりご覧いただけます)。

 

 

 

最初のテープの取り込みが完了!

 

 

Windowsで取り込んでいた時とは異なり、自動的に撮影日ごとのファイル名に分かれて保存されていました。便利ですね!

 

 

無事トラブルなく1本のテープを取り込めて、まずはひと安心でした。1本(約60分)のテープは、大体13~14GBというサイズでした。

 

取り込んだファイルを、今度はM-DISCに焼きました。焼き方は通常のブルーレイと全く同じ。焼くのにかかる時間も、通常のディスクより若干長く感じる程度です。

 

ただ、100GBのディスクは、5枚中2枚もエラーになってしまいました! 1枚1,000円以上するので、このエラーは痛い…(> <)

 

MiniDVテープは全部で445本もあるので、ディスク枚数を減らすためにできれば100GBのディスクを使いたいところですが、やはり三層というのはかなり圧縮され、エラーが生じやすいのかもしれません。長期保存を目指すのですから、ここは安全最優先で、50GBのディスクに保存をしていくことに決めました。

 

方針が決まったので、50GBのM-DISCをまとめ買い!!

 

 

まとめ買いをしてみて気になったのが、このM-DISCは、ほとんどのネットショップで「在庫僅か」とか「在庫切れ」と表示されることでした。

 

高価なアーカイブディスクは、一般消費者のニーズは高くないでしょうから、飛ぶように売れる商品ではない…ということは想像できますが、それにしてもなぜこんなに少ないのでしょうか??

 

ネットで調べたところ、なんと、M-DISCの日本の製造元・三菱ケミカルメディアは、「2019年6月14日に記録メディア事業及びその他事業をCMC Magnetics Corporationの子会社へ売却することを発表、2020年にVerbatim Japanへ譲渡し撤退した」(同社のWikipediaより)とあるではありませんか!!

 

M-DISCは100年、いや数百年も持つ…と豪語していますが、日本の製造メーカーは10年と持たずに撤退&製造終了してしまったなんて…!

 

「生涯保存」を謳うメディアにしては、あまりにトホホな結末に、苦笑いしてしまいました。

 

現在、日本のメーカーはM-DISCを製造していませんが、アメリカのMillenniata社や台湾のメーカーでは今でも製造が続いています(いや、Millenniata社さえも製造をやめていたら、もう話になりませんよね!)。でも、日本でこれらのメーカーから購入しようとすると、海外からの輸入扱いとなるので、価格は高くなってしまいます。

 

…なるほど、それで国内製造のM-DISCはもうほとんど在庫がないのですね…

 

私は現状、50GBのディスクを10セット(50枚)購入しただけですが、全てのMiniDVテープを保存するのに十分な枚数を、今後確保できるのでしょうか?? やや不安を抱えつつ、日々、取り込み作業を続けています。

 

取り込んだMiniDVテープのデータは、M-DISCの他、ハードディスクにも保存することにしました。これまで書いてきたとおり、ハードディスクの寿命はとても短いですが、保存データを何かで使用する(あるインタビューだけを取り出し、編集して公開する等)には便利なので、新たに1台購入しました。

 

容量は3TB。MiniDVテープ445本分だと、3TBなら2~3台必要になりますが、とりあえず1台だけ購入。

 

 

ハードディスクの寿命もあるので、今後は機器を購入した日付も書いておくことにしました。こうすれば、各機材の寿命についてもっと意識できるようになるかと考えて。

 

 

今、テープの取り込みは20本ほど終えたところです。まだまだ道のりは長いですが、編集作業と並行して、地道にやっていきたいと思います。

 

以上、「続・アーカイブについて考える」でした!